生理中や、生理前の諸症状は病気とは言えませんが、中医学的には疲労や過労、ストレスや冷え、あるいは汗をかきやすかったり、熱がりの体質や辛い食べ物の嗜好など、ちょっとした身体のバランスの偏りによっておこると考えています。
あまり気にしすぎるのもよくないのですが、いつものことと思い、無頓着になっているのは、実はもっとよくないのです。
本来、生理前の頭痛や胸の張り、イライラ感が強くなる、食欲不振、排便異常(便秘や下痢)をはじめとした月経前症候群(PMS)や生理痛など、生理に関する諸症状はない、あるいはできるだけ感じないことが理想ですし、実際にそのような状態に改善できるのです。
それにより、生理中でも普段と同じように、苦痛や不安を感じることなく、毎日を楽しく快適に過ごして頂くことができますし、当院のはりきゅう治療を受けた方は、皆さんお喜び頂いております。
生理の諸症状は、我慢していたり、放っておくと不妊症や不育症の原因となったり、更年期の諸症状を強めてしまうことは中医学では常識なのです。いつものことだからと思わず、できるだけ早めの改善をオススメします。毎月の生理の時も、楽しく、快適に過ごしていただけますよう当院では全力でお手伝いをさせていただきます。
- 生理中は、動けなくなるほど生理痛がひどい。
- 生理痛のために鎮痛剤の類を飲まないと過ごせない。
- 生理の前半に月経血とともに出る血液の塊が大きい、あるいは多量である。
- 血液の塊が出ると生理痛が軽くなる。
- 生理の周期が不安定である。
- 生理の周期が極端に長い(40日前後を目安として)。
- 生理の期間が短い(3~5日を目安として)。
- 月経血の量が極端に少ない、あるいは以前と比べると量が減った。
- 無月経である。
- 不正出血がよくある。
- 生理の後半や、生理の終了後に身体の調子が悪くなる。
当てはまるものはございませんか?
このような症状を放置することはよくありません。これらによって生活の質が低下することはもちろん、不妊の原因、妊娠期間中や出産時への影響、産後の回復の妨げ、更年期の症状を強めるなど、様々な影響が出ることは中医学では常識です。実際に、お悩みの方が多くいらっしゃいます。
特に、妊娠を望んだ時になかなか授かることができず、その時から不妊治療を始める場合、時間はかかりますし、精神的にもつらい思いをすることになってしまいます。今すぐに妊娠・出産をお考えではなくても、その時のために、心と身体を最善の状態で保っておくことが大切です。
婦人科で病気とは診断されていなくても、このような症状を感じている場合は、早めの改善をお勧めします。
また、その他にも
- 生理の周期が極端に短い(20日前後を目安として)。
- 生理の期間が極端に長い(8日以上を目安として)。
- 月経血の量が極端に多く感じる、あるいは以前と比べて少なくなってきた。
- 生理直前や生理の前半に、胸が張る、イライラしやすくなる、食欲が亢進する、便秘や下痢となる、頭痛やめまいを感じるなどの決まった症状を感じる。
- 生理の後半や生理終了後に、疲労感や脱力感を感じる、めまい、目がかすむ、髪の毛がぱさつくなどの決まった症状を感じる。
- 月経血の色が、以前に比べ赤みがなくなり、赤ワインのように黒っぽく(暗く)なってきたり、粘性が高くなってきた(サラサラしていない)。
このような症状も、長い目で見れば要注意の症状へと変化することが多いので、当てはまる項目がある場合は、はりきゅう(鍼灸)治療をおすすめします。
また、閉経後の出血に対しても、はりきゅう(鍼灸)治療が有効な場合があります。病態によりますので、ご相談ください。
1. 気の流れが悪いために起こるタイプ
- 生理の周期や経血の量が不安定である。
- 生理前半に生理痛が強い。
- 生理前に胸や下腹部が張りやすくなる。
- 普段からストレスを強く感じている、イライラしやすい、脇腹や側胸部が脹ったり、痛くなる。
原因
長期間にわたってストレスや不安感を感じている、精神的な抑欝状態が長く続ている、ショックな出来事やつらい悲しみなど、突然に強い精神的な刺激を受ける。
2. 血の流れが悪くなって起こるタイプ
- 生理の周期が長く、生理期間が短くなることが多い。
- 経血が黒っぽい赤、青や紫色となっている、または血塊が多い。
- 生理痛は生理前半に強く、血塊を排出すると生理痛は激減する。
- 特に生理痛がひどい時期にはお腹を触られるのを非常に嫌がる。
原因
気の流れが悪い状態が長く続いたため、元々の冷え性や身体を冷やしたため、あるいは腹部のケガや手術、人工中絶や出産時の出血などにより血流が正常に戻らないため。
3. 熱によって起こるタイプ
- 生理の周期が短い。
- 出血量が多く、経血は鮮やかな紅色で粘稠度が高い。
- 不正出血を起こすことも多い。
- 普段から汗をかくことが多かったり、熱がりで、夜間に熱がることも多い。
- 口が渇き水分をよく摂ることが多く、便秘や尿の色が濃い。
原因
元来の暑がりのタイプの方、辛い物や刺激物を好み、アルコールの摂取量が多いタイプに見られる。
4. 冷えによって起こるタイプ
- 生理の周期が長く、ひどくなると生理が止まる。
- 出血量が少なく、経血は色が黒く血塊を伴うまたは色が淡くさらっとしている。
- 不正出血を起こすことも多い。
- 普段から手足だけでなく、お腹や腰が冷える。
- 生理痛が強く、お風呂にはいるなど身体を温めると楽になる。
原因
このタイプには2種類があり、一つめは身体の機能は正常で、急激に身体を冷やすことによって起こるタイプと、もう一つは元々身体が弱く、冷え性であり、足や腰の力が弱いと感じる、下痢が続くなどのタイプに別れる。どちらにしても身体を冷やすことによって起こる。強すぎるクーラー、冷たい物の食べ過ぎなどが原因となることが多い。
5. 水の流れが悪いために起こるタイプ
- 排卵期以外でもおりものが多い。
- 生理の周期が長くなる、または不安定となる。
- 出血量は少なくなることが多く、ひどくなると生理が止まる。
- 経血の色は黒っぽい赤で、粘稠度が高い。
- 掌や足の裏、脇の下や陰部などがいつも湿った感じがする。
- 下痢をしたり軟便となることが多く、胃のあたりが脹る、鼻づまりやのどに痰が絡むこともある。
- これらの症状が、脂濃いもの、甘いもの、味の濃いものを食べると悪化する。
原因
脂濃いもの、甘いもの、味の濃いもの、アルコールの常飲などによって体内の水の流れが悪くなり、婦人科系を栄養できなくなるために起こる。
6. 血が不足するために起こるタイプ
- 生理の周期が長く、ひどくなると生理が止まる。
- 出血量が少なく、経血の色は淡くさらっとしている。
- 生理の後半~生理後に生理痛が起こり、さらにめまい、手足のしびれ、目が疲れる、身体がだるいなどが出現する。
原因
慢性の疲労、月経過多、不正出血、流産後に、多産、産後の体力低下などのために起こる。
7. 腎虚による起こるタイプ
- 生理の周期が長く、ひどくなると生理が止まる。
- 出血量が少なく、経血の色は淡くさらっとしている。
- 生理の後半~生理後に生理痛が起こり、さらにめまい、手足のしびれ、目が疲れる、身体がだるいなどが出現する。
- 性欲が減退する。
原因
元々の虚弱体質、長患いや重い病気がしっかりと回復しきれない、過度のセックスなどにより、五臓六腑の中の腎が弱るために起こる。
- 忙しい仕事や家事による疲労や過労。
- 人間関係や将来の不安などによる精神的負担やストレス。
- 強すぎるクーラーや冬に薄着をしていることによる身体の冷え。
- のぼせや熱がりの体質、辛いものやスパイシーなものの過食。
- 甘いものや脂濃いものなどを食べる機会が多いことによる。
- さらにこれら全体が原因となって血液の循環が悪くなる。
- 順調で苦痛のない生理期間を過ごせる。
- 場合によっては婦人科の治療と併用することが望ましいが、多くの場合は婦人科のお薬を減量または中止できる。
- 楽しく・明るく・快適な生活の基盤とすることができる。
また、長期的には妊娠しやすく、出産中の安定したお身体作り、出産後は早く体調が戻って安定する、お子様の順調な成長も見込めるようになります。さらに、更年期の辛い症状を最低限に抑えることにもつながります。
無月経や極端に長い周期と極端に短い生理期間を改善するのには時間がかかることが多いですが、それ以外の症状は、今までの経過期間や、お身体の状態にもよるものの、比較的早い改善が期待できます。
はりきゅう(鍼灸)治療は、薬を処方することはありません。薬を服用することに抵抗のある方、副作用が出るために薬を控えている方にもおススメです。