2014/09/08
空気が乾燥しているときの健康法
8月も終わり、9月に入りましたが、ぐっと気温が落ちてきました。
秋は秋で、過ごしやすくなり、紅葉などの行楽シーズンで各地夏とは違ったにぎわいを見せると思います。もちろん、食欲の秋!とおっしゃる方もいるかもしれません。
ただ忘れがちな事が。それは、「乾燥」です。
火災に注意!はもちろんです。そして夏の蒸し暑さからの解放は本当に気持ちのいいものですが、実は乾燥は、身体にとって負担になる事が多く、身体の中でも乾燥が進み、長期的に見た場合に健康状態を保つことが難しくなってしまいます。
中医学では体内の水分のことを“津液(しんえき)”といい、津液が身体を潤し、その結果身体は栄養されるとされています。したがって津液が減少したり、津液の流れが悪くなることが諸症状の原因となりますが、今日は津液が減少した場合について、中医学的な立場から簡単に、しかししっかりとお話をさせていただきますね。
津液が減少したためにおこる症状は、乾く、かさつくです。
乾く、かさつくという症状は、のどや口だけでなくお肌にもおきますし、ひどくなると内臓(五臓六腑)も乾いてしまい、いろいろな症状が出てしまいます。
一番出やすいのは、のどや鼻の痛み、セキが多くなるなどの呼吸器系の症状が多く、ひどくなると胸の痛み、鼻血や喀血、呼吸しづらくなるなどの症状となってしまいます。
これ以外にも、肌荒れ、食欲不振や便秘、排尿異常などの症状もおこります。
これを改善するにはどうしたらいいか?!
水分をしっかり摂ることと、加湿器などを使ってお部屋の中の湿度を保つことです。
水分摂取のポイントとしては、よっぽど乾いてなければ、一度に大量に取る必要はないので、ちびちびとこまめに水分を摂り、口を潤すことです。乾きを感じたらその都度早めに口を潤すことがポイントです。
また、この時に注意していただきたいのは、排尿の状態を見ることです。
1日の成人の昼間の排尿回数は、中医学的には5~8回とされているので、排尿回数が少なければ、身体の中の水分量も足りていないということになります。また、排尿回数が少なければ1回の排尿量も少なくなり、おしっこの色も黄色くなってくることが多いです。
排尿回数が少ない、排尿量が少ない、おしっこの色が黄色い場合には、水分の量もしっかりと摂った方がよいのです。
・あなたの排尿回数は何回くらいですか?
・おしっこの色はどうですか?無色透明?黄色い?
あまり神経質になるのもよくないのですが、今度余裕があるときにでもチェックしてみてください。これは中医学においては、重要な問診内容の一つでもあります。
それではどんな物を飲むのがいいかというと、水、お茶、コーヒーです。
一般的には水がよいのですが、利尿作用を高めた方がよいタイプの方はお茶やコーヒーの方が適しています。それは、脂濃いものや甘いもの、味の濃いものを食べる機会の多い方、アルコールを飲む機会が多い方です。
これらは体内の水のめぐりを悪くさせるので、排尿量が減少しやすくなるためです。このようなタイプの方は水よりもコーヒーやお茶の方が適しています。利尿作用を高めることにより、水の流れを回復させることができます。水の流れが回復すればお身体のあちこちも潤すことができるわけです。
また、暖かいものと冷たい物はどっちがいいの?ってご質問もよくいただくのですが、暑がりのタイプの方、のぼせやすい方は冷たい物を摂った方がよいです。
巷では“冷たい物の飲食はお腹を冷やす=健康に悪い!”という認識ですが、中医学では熱い時(人)は冷やすことで寒熱のバランスを調整することが基本ですので、必要に応じて身体を冷やすことが乾きの軽減はもとより、それが長い目で見た健康にもつながるのです。
ただし、必要以上に冷たい物を摂りすぎると、お腹が冷える、お腹が張ってくる、食欲が低下する、腹痛を起こす、下痢をするのでご注意ください。
このような症状を感じた場合胃は、冷たい物は避け、常温のもをの飲むようにしてみて下さい。ガマンして暖かいものを飲む必要はありません。
また、コーラやジュースなどの甘い飲み物、ポカリスェットなどのスポーツ飲料の多くは糖分が高いので、常飲するのは避けた方がよいです。甘い物を摂りすぎると、体内の水の流れを悪くさせます。これについては別の機会に紹介させていただきます。
人体は摂取した飲食物を栄養として吸収し、余ったものは大小便として排泄されるのですが、水分(津液)は腎で濾過した後必要な水分を再吸収し、再び全身に送って身体を栄養する働きがあります。
水分が足りなくなると、身体を潤すことはおろか、再吸収をすることができなくなるために長期的に見ると身体の栄養が低下します。だから、排尿の状態を見ながら水分を摂取することが必要なのです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。