2014/08/20
暑い夏の過ごし方
今年は冷夏といわれていたのに、ふたをあければ猛暑、猛暑で体調を崩され調子が出ない方もいらっしゃるのではないでしょうか?
8月も後半ですが、まだまだ残暑が続きそうな様子ですね。そこで、中医学的な観点からみた、夏の過ごし方対策を書いてみたいと思います。
少しでも、暑い夏を乗り切る方法として、皆さんにお役に立てれば幸いです。
中医学的な寒がりと暑がりの違い、服装について
巷では、一律に夏でも身体を冷やしてはいけないと言われることが多いと思いますが、中医学ではその方の体質や生活環境などによって正しい過ごし方が変わります。一言で言うと"暑いときは冷やす、寒いときは暖める"が基本ですが、生活環境や体質によっても変わります。これを基本として生活環境(特にエアコンや扇風機の使い方)、服装、飲食、入浴、最適な睡眠環境について事例別にご紹介します。また、正しい夏の過ごし方3では保冷剤を利用して手っ取り早くお身体を冷やすことのできるツボをご紹介します。
しっかりと使い分けないと、食欲不振、ひどい身体のだるさ、むくみ、あるいは夏ばてとなったり最悪の場合には熱中症となってしまいます。また、女性では頻発月経、月経過多、不正出血などの原因となります。ご自身の体質や生活環境によって使い分けましょう
生活環境について
生活環境についてですが、これは涼しい環境にいる、または常温や熱い環境にいることにより分けるとよいでしょう。
涼しい環境とは
涼しい環境とは-今年は節電を呼びかけられ、エアコンが効きすぎたオフィスやご家庭は少ないようですが、エアコンの効いた室内にいることが多い、あるいはそのために寒さや涼しさを感じる多い方はこれに属します。
常温や熱い環境とは
常温や熱い環境とは-エアコンをかけないご家庭や、営業で外回りをされる方、学校や幼稚園の先生など屋外で活動することが多い方や、調理師さんや溶接工の方など火を使う作業をされる方はこれに属します。
体質について
体質については、普段からいわゆる寒がりか暑がりかで分類できます。
寒がりの体質
寒がりの体質は、寒さを感じることが多い、手足が冷える、エアコンや扇風機の風にあたるとすぐに寒くなってしまうタイプの方ですが、中医学ではこれだけではなく、身体を暖めると気持ちよく感るなど暖かい境を好む、冷たい物を摂ると寒さを感じたり腹痛や下痢を起こす、排尿回数が多く尿が透明で量が多い、下痢をすることが多くしかも食べたものが消化しきれずにそのまま排泄される(ただし繊維質が多いなど消化しにくいものは別です)等の症状をともない、身体を冷やすとこれらの症状が悪化するタイプの方を指します。
※ ただし、寒さを感じる、手足が冷えるという症状は、筋肉の血液循環が悪い状態、いわゆる首や肩の凝り、背中や腰の凝りや痛みなどによってもおこります。
上記の症状が主となる場合には寒がりの体質といえますが、顔や頭、胸やお腹、掌や足の裏などや部分的な皮膚の熱感を伴うなど、暑がりの症状もある場合には暑がりの体質になります。
暑がりの体質
暑がりの体質は、エアコンや扇風機の風にあたると気持ちよく感じる、暖かい環境を嫌がる、顔や目が赤い、全身が熱く感じる、顔や頭をはじめとして、背中・胸・お腹・てのひら・足の裏や、部分的な皮膚の熱感を感じる、冷たい飲食物を好む、気温が高くなってくると熱さを感じるために眠れない、気温が高いために、あるいは飲食、運動、入浴などによって身体が温まるとこれらの症状が出現する、または悪化するタイプの方はこれに属します。
※ なお、これらの熱症状があるからといって、体温が高いとは限りません。中医学では体温が正常範囲でもこれらの熱症状を感じる方は暑がりの体質になります。
上記の生活環境や体質が基本となり"正しい過ごし方"が変わります。
生活環境(特にエアコンや扇風機の使い方)
寒がりの方
当然のことではありますが、冷やすとよくないのでエアコンや扇風機は使わない方がよいです。ただし、長い時間炎天下にいて皮膚が熱く感じる、のぼせを感じるなどのときには、寒さを感じない程度に使用した方がそのような症状の改善は早くなります。
暑がりの方や常温や熱い環境にいる方
エアコンや扇風機を用いて身体の表面からまずはしっかりと身体を冷やしましょう。
服装について
寒がりの方、涼しい環境にいる方
素肌の露出をできるだけ少なくしましょう。ブラウスは半袖ではなく長袖を、足の冷えを感じるなら膝掛けを掛けましょう。
ポイントは首を冷やさないことです。スカーフを首に巻いたり、なければタオルでもOK。首を冷やすと上肢だけでなく首や肩、背中まで冷えてしまいます。また、足先を冷やすと下肢だけでなく臀部や腰まで冷えてしまいます。寒さや涼しさを感じるときには我慢は禁物です、早めに暖めましょう。
暑がりの方や常温や熱い環境にいる方
無理の無いよう、危険を伴わない程度の薄着が理想的です。ネクタイをはずしたり、Yシャツは半袖にするなど、できるだけ皮膚を外気にさらして冷やしてあげましょう。もう一つのポイントは、汗をかいた下着は早めに取りかえることが重要です。湿ったままの衣類は熱気を発散できないために、熱感の上昇を招きます。状況によっては難しいかもしれませんが、早めの着替えが理想的です。着替えるだけでも熱感の上昇を抑えることができます。
残暑も続きます。体調には気をつけて、楽しい夏を過ごしてください。もし、体調が優れない場合は、お気軽にご連絡いただければと思います。