2014/09/19
むくみが気になっていませんか?
今回は、むくみについてのお話をしようと思います。
今の季節にむくみ?という方もいらっしゃると思います。確かにむくみやすい季節と言われているのが夏と冬。初秋の今はむくみが少ないと感じられる方もいらっしゃいますが、夏の疲れでむくみが出やすくなったり、また食欲の秋と言われるように、大変美味しい旬の食材が目白押しですが、食べ物でもむくみが出たりします。また、冬にむけてむくみの事を知っておく事はいいことだと思いましたので、書かせて頂きます。
当院においでになる皆様にも、むくみを気にしている方は結構多いです。むくみは上肢や顔面部にも起こりますが、主に下肢に起こります。また、むくみは女性に多いですが、実は男性にもよく診られる症状の一つです。
夕方近くに、指輪がきつく感じる、あるいはストッキングの跡がついたり、履いている靴下をちょっと下げてみると靴下の跡がついている、また、靴を一度脱いで再び履くと朝履いたときよりもきつく感じる場合には、むくんでいると言えます。さらにひどくなってくると、夕方に限らず一日中このような状態となります。
むくみは、体内の水液代謝が悪化したり、低下すると起こります。人間の身体は、体重の約70%が水分でできていると言われており、むくみは比較的簡単におこる症状の一つでもあります。
原因としては、西洋医学的には心臓や肝臓、腎臓の病気によっておこることが多いとされています。確かにそれらの病気によってむくみはよく診られる症状ですが、むくみがあるからといってそれらの内蔵が病気になっているかというのは全く別の話です。
あまりにもむくみがひどい場合には心臓や肝臓、腎臓の機能を調べる必要はありますが、それらの異常がなければ全く気にすることはありません。
中医学的なむくみの原因は非常に多彩ですが、主として肉体的・精神的な疲労や過労、ストレス、肩こりや首のコリ、腰痛などの筋肉の循環不良、それから飲食などが原因となって起こります。
- 1.肉体的・精神的な疲労や過労、ストレスを感じたり精神抑鬱状態となると、人体のエネルギーである気の流れが悪くなります。それに伴い水の流れも悪くなるとむくみが起こります。
- 2.肩こりや首のコリ、腰痛などの筋肉の血液の循環不良は、体内の水液の循環不良をも引き起こします。
- 3.飲食の原因としては、天ぷらや唐揚げなどの油を多く使った料理、肉類などの脂もの、甘いもの、味付けの濃いお料理を多食する、アルコールを飲むことが多いことが原因<となります。
これらが水液代謝の悪化を引きおこす主要な原因ですが、特に多いのが飲食によっておこる場合が圧倒的に多いです。
揚げ物や脂ものを食べることが多い方、甘いものや濃い味つけのお料理を好む方、アルコールを飲むことが多い方はむくみやすくなり、また、同時に手のひらや足の裏、脇の下や陰部の湿り感を感じる、顔がテカる、あるいは触るとぺたぺたと湿っぽいという方が多いです。流れが悪くなったために水分が体内に停滞すると「むくみ」という状態になり、その水分が体表に溢れ出すと「湿り感」や「お顔のテカり」と言う状態になるわけです。
対策としては、
- 1.の場合には、取れるときにでも構わないのでしっかりと休息を取る、ストレスを感じている場合には気分転換を図ることが重要です。
- 2.の場合には、体操やストレッチ、激しすぎない程度のスポーツなどを行い、コリを緩和し、血液循環を促進するとよいでしょう。
- 3,飲食の原因の場合には、できたら油(脂)ものや味の濃いもの、甘いものやアルコールは少しだけ減らしましょう。食べてはいけないということではなく、一日量の中で少量減らすだけでも症状が軽減します。
揚げ物は同じ素材でも焼いて頂く、肉類は脂身の少ないものにする、味が濃い場合には長期間かかってもすこしずつ薄味にしていく、甘いものは1日の摂取量を2/3から半分くらいにしてみましょう、アルコールも同様です。食生活のような嗜好品は、急に換えたり減らすと逆に食べたくなり、要するにリバウンドですが過剰摂取の原因となるので時間をかけて換えてみて下さい。そうすればむくみや湿り感を改善することができます。
なお、甘いものというのは、和菓子や洋菓子などをはじめ、コーラやサイダーなどの清涼飲料水、栄養ドリンクやスポーツドリンクなど糖分(エネルギー量)が高いものも同様です。また、1~3のすべてのタイプに共通の対処法は、発汗です。特に今のように湿度が高いときには発汗して発散することが中医学的な健康法の一つです。
ジョギングやウォーキングを始めとした軽いスポーツ、半身浴でも構わないので入浴などによって、発汗することにより体内の余分な水分を排泄することは非常に有効なことです。入浴(半身浴)の場合には、40度以上のぬるすぎない湯温が必要です。10~15分ほどゆっくりとつかり汗をかくようにして下さい。
ただし、入浴後に全身が熱い、頭や顔、背中や手のひらや足の裏など部分的に熱く感じる、熱くて眠れない、口やのどの乾きが収まらないなどの場合には長めの入浴はお勧めできません。温めすぎると、返って水の流れを悪化させる可能性が高くなります。
また、スポーツでも軽いスポーツで汗をかくのは非常に良いのですが、ご自身の適切な運動量に合わないようなスポーツ、筋肉痛を残すような激しいスポーツは返って血液循環はもちろん、体内の水液代謝をも低下させるのでご注意が下さい。
もちろん鍼治療ではこれらの状態を素早く改善することも可能です。すねにある豊隆、下腹部にある中極などのツボが非常に効果が高いです。むくみや湿り感、お顔のテカりが気になる方は鍼治療を受けてみてはいかがでしょうか。
気になる症状、つらい状態を改善し、毎日を快適にお過ごし頂けます。