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関東ももうすぐ梅雨も後半、夏の暑さがじわじわと迫ってくる季節となりました。

昨年記事にしました、暑い夏の過ごし方がご好評でしたので、一年をまたいでになりますが、続編という事で夏の過ごし方のお話をさせて頂き、夏を快適に過ごして頂ければと思います。今回のテーマは、飲食、入浴、睡眠環境についてです。

★飲食・入浴・睡眠環境について

 

1.飲食について

 

寒がりの方、涼しい環境にいる方

寒がりの方、涼しい環境にいる方は、身体を冷やす飲食物の摂取は控えましょう。身体を冷やす飲食物とは、冷たい物、冷えている物だけではなく、中医学では寒涼性の飲食物を指します。
寒涼性の飲食物とは、お刺身などのなまもの、サラダなどの生野菜、キュウリやトマト、冬瓜などの夏野菜、梨やスイカなどの水気の多い果物、また、緑茶あるいはウーロン茶やジャスミン茶など中国茶などが代表的な物です。

暑がりの方や常温や熱い環境にいる方

暑がりの方や常温や熱い環境にいる方はその逆で、エアコンや扇風機にあたって身体の表面から冷やすと同時に、上にご紹介した身体を冷やす飲食物を摂って身体の中からも冷やしましょう。その方が効率的にお身体を冷やすことができます。アイスクリームやかき氷、氷水など冷たい飲み物を摂ってください。

※ ただし、摂りすぎや一気に大量に摂ると冷やしすぎたためにお腹を壊しやすくなります。症状としては強い腹痛や下痢となりますが、お腹が張ってきたり重く感じる、食欲不振などを感じる場合には冷やしすぎなので、その場合には冷たいものではなく常温の飲料水にしたり少量でもいいので暖かい飲食物を摂ってください。

冷たい飲み物は、口当たりがよいためについゴクゴクと一気に大量に飲みがちです。ガブガブと飲むのではなく、一口ずつお口に含んだら、まずはお口の中で転がしてお口を冷やし、それから飲み込む。このようにして繰り返すと大量に飲むことを避けることができますし、少量でも清涼感を得ることができ、お身体を効率よく冷やすことができ、さらにお腹を冷やしすぎることを避けることができます。

お食事は冷たい物だけというのは避けた方が無難です。冷たい麺類などだけでは胃腸が冷え切ってしまうことも多いですし、冷たい物だけでは返って消化・吸収が低下し、それが夏ばての原因にもなります。お食事は冷や奴や酢の物など一品くらいは冷たい物を摂るくらいにして、それ以外は他の季節と同じように暖かい物を摂ることをお勧めします。飲食によって身体が熱くなったら上記のように少量ずつ冷たい物を飲んだり、エアコンや扇風機でお身体を冷やしてあげましょう。

それから、暑いときは、発汗を始めとして体内の水分の消耗が激しくなります。お口が渇き始めたなと思ったら早めに水分を補給してください。身体が熱いと感じたら冷たい物を(摂りすぎに注意しましょう)、あるいは常温の物を摂りましょう。また、お腹が冷えてきたなと思ったら、少量で構わないので暖かい物を摂りましょう。その時のお身体の状況でうまく使い分けましょう。

※ 暑がりのタイプの方にとって、特に暑い時期には避けた方がよい飲食物があります。それは、唐辛子や麻婆豆腐、担々麺などの辛いもの、カレー、コショウやスパイスが効いたスパイシー(刺激的)な物、あんかけになっている料理など熱すぎるもの、それからアルコール類です。これらはすべて辛温性の飲食物であり、元々熱に偏った暑がりのタイプの方にとって、熱を強めることとなります。大好きなものでもせめて暑い時期は少し減らしていただくと、身体の熱感を強めなくて済みます。

また、豚骨ラーメンなどの脂濃いものや、唐揚げや天ぷらなどの油物は、身体の水のれを悪くさせるため暑がりのタイプの方は余計に熱感を強めることとなります。この他には、甘みの強いものも同様で、糖分の高い缶コーヒーや、コーラ、ジュースなどの清涼飲料水も水の流れを悪くさせます。

 

2.入浴について

 

寒がりの方、涼しい環境にいる方

寒がりの方、涼しい環境にいる方は、他の季節と同様に湯船にしっかりとつかり、身体を暖めましょう。入浴後に熱さを感じるのであれば、扇風機などにあたって身体を冷やすことは少しくらいなら構いませんが、冷やしすぎないようにしましょう。また、汗をかいていればしっかりと拭き取りましょう。汗を拭かずにそのままにしておくと身体を冷やしてしまいます。

暑がりの方や常温や熱い環境にいる方

暑がりの方や常温や熱い環境にいる方は湯船にはつからずにシャワーだけ、しかもぬるめ、あるいはほとんど水のシャワーを浴びる方が気持ちよいと思います。寒さを感じないのであればこれでもOKです。
ただし、首や肩の凝りを感じる、背中や腰が痛い、あるいは膝や足首、肩などの関節が痛いなど、筋肉や関節の症状をを感じることが多い方は、暑がりのタイプの方でも筋肉や関節の血液循環を改善することを目的に、湯船につかった方がよいことも多いです。寒い時期のように湯船には全身つからなくても胸までつかる、あるいは腰までつかる半身浴でも構いません。それだけでも首や肩の凝り、背中や腰の痛みなど筋肉の症状、あるいは膝や足首、肩など関節の症状が思った以上に楽になります。
シャワーだけでは、冷たいほど筋肉や関節の症状を悪化させることが多くなるので注意が必要です。

 

3.睡眠環境について

 

寒がりの方

寒がりの方は暖かくしてお休み下さい。ただし、寒がりだからといって夏でも厚着をしすぎるのもよくありません。汗をかきすぎない程度に調節してください。

また、寒がりのタイプの方は2人以上で寝ている場合、他の方も同じ寒がりのタイプであれば何も問題は起こらないのですが、暑がりの方と寝ていて、暑がりの方に環境を合わせると問題が生じます。後述の通り、暑がりのタイプの方にはエアコンや扇風機をつけたまま寝た方が身体にはよいのですが、寒がりのタイプの方にはよくありません。布団やタオルケットを掛けて寝ていても、頭や顔が冷えると全身の冷えにつながってしまいます。できればエアコンや扇風機は止めてもらうようにする、あるいは可能であれば寝室を別にすることも改善策の一つです。

暑がりの方や常温や熱い環境にいる方

暑がりの方や常温や熱い環境にいる方はその逆で、エアコンや扇風機をかけた状態で寝る、防犯上問題がなければ窓を少し開けた状態で寝た方がよいでしょう。熱さを感じる状態で寝ると、さらに身体に熱気がこもってしまいます。そのために熱くて目が覚める、頭がボーッとする、発汗量が多すぎるなどが起こると睡眠の質が下がり、疲れがとれないばかりか余計に疲労の原因となり、ひいては夏ばての原因となってしまいます。

ただし、睡眠中は体温が低下するためエアコンや扇風機の風が直接身体に当たっているとよくありません。寒くて目が覚める、起床時に身体が冷たい、手足や全身がだるい、節々が痛いなどを感じる場合は冷やし過ぎですので注意しましょう。また、エアコンは、温度を下げるよりも湿度を下げた方が快適度は高くなります。エアコンは冷房ではなく、ドライにしてみてはいかがでしょう?。

可能であれば湿度を50~60%くらいに保つことが快適さの秘訣です。

中医学では"寒・熱"のバランスを上手に調節することが、健康を保つあるいは症状を改善する上で非常に重要なことと考えています。寒ければあるいは冷えに偏っていれば暖めてそれを治す、熱ければあるいは熱に偏っていれば熱をさましてそれを治す。そうすることによってお身体を健康に保つことができ、楽しく、明るく、すこやかな毎日を送ることができます。皆様も、ご自身のお身体の状態をチェックしながら上手にコントロールをしていただければと思います。